ビー玉が転がる床でも瑕疵ではない?

ビー玉の画像です

 

瑕疵(かし)とは、欠陥の事。一般的に備わっていて当然の機能が備わっていなかったり、あるはずの品質や性能を満たしていないことを言います。

 

内覧のポイントとしてよく知られていること

新しい住宅を探すときには内覧をして欠陥がないかどうかを入念にチェックしますよね。

インターネットなどで内覧ポイントのチェックリストが作成され公開されるくらいに、多くの人が確認するようになっています。特に住宅を購入するときや注文住宅を建ててもらったときには、これからずっと住み続けることになるので細かなところまで注意を払うことが多いでしょう。

 

その際に誰もが行うのが、家が傾いていないかのチェックではないでしょうか。家が傾いているということは、もしかしたら基礎工事がしっかりとできていなくて、だんだんと傾いていって家の寿命が短くなってしまうかもしれません。まだ建てたばかりなら大丈夫でも、年々少しずつ傾いていくということもあります。

このような欠陥のある住宅に手を出してしまわないためにも、内覧をするときには傾き具合を調べるのが大切だと言われているのです。

そのチェック方法として、ビー玉を持って行って床に置いてみるというのがよく知られています。ビー玉が転がるようであれば明らかに家が傾いているので、瑕疵があるのではないかと指摘した方が良いと言われているのです。

 

しかし、本当にそれが瑕疵として指摘できるのでしょうか。

ビー玉が転がるなら傾いているのは確かですが、それが本当に危険を伴うようなものなのかを充分確認した上で指摘した方が賢明です。

 

ビー玉が転がったら瑕疵なのか

ビー玉が転がる床なら瑕疵のある欠陥住宅なのかという問いについては、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」について知った上で判断した方が良いでしょう。「品確法」とも呼ばれるこの法律は2000年に施行され、住宅購入者等の利益の保護や住宅に係る紛争の解決を目的とした内容になっています。

この中で住宅の傾斜についても言及されています。

「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」として傾斜の具合に応じた基準を提示していて、3/1000未満の傾きなら瑕疵がある可能性は低く、3/1000以上6/1000未満では瑕疵がある可能性があると明記しています。そして、6/1000以上のときには瑕疵がある可能性が高いとしているのです。

ただし、この傾斜の定義は3m程度以上離れている二点間でのものとされているので、狭い区間で傾きがあったとしてもそれは瑕疵がある可能性があるかどうかとは関係がないというのが原則になっています。

 

このガイドラインに従うとビー玉が転がる床でも瑕疵ではない可能性があることがわかります。その部分のみ少し急に傾いているだけでもビー玉は転がるからです。また、6/1000よりも傾斜が緩くても転がることはあります。

そのため、ビー球が転がらなかったら大丈夫な可能性が高いと言うことはできるものの、転がったからといって瑕疵があると断定はできないのです。

 

もっと大局的に考えよう

住宅がたとえ傾いていたとしても、ビー玉がゆっくりと転がるような傾きを人は通常は認識することができません。その程度傾いていたとしても特に生活に支障が生まれることはないでしょう。

とても神経質な人の場合には気にかかってしまって駄目かもしれませんが、多少傾いていても心配ないと分かれば住めるという人は多いですよね。

 

他の条件がとても魅力的な建売住宅を見つけたり、理想的なデザインの注文住宅がようやく建てられたりしたときに、諦めたり、すぐに修繕を依頼したりするのはためらわれると思います。

ビー玉が転がるかどうかを確認するのは良いですが、その結果はもっと大局的に考えた方が良いでしょう。本当に基礎工事が手抜きでこのような状況になったのか、あるいは現在の技術を用いてもある程度は傾いてしまう地盤なのかということを確認した方が賢明です。

その場合、業者と相談して第三者機関に住宅診断をしてもらうのをおすすめします。もし瑕疵があるようならプロの見地から客観的な根拠を探して明確にしてくれるからです。

住宅診断を受けて確かに瑕疵があるというのであれば住宅メーカーも無償で対処せざるを得ません。もし瑕疵でないのなら多少傾いていても気にしなければ安心して住めます。

それを理由に交渉して価格を下げてもらえる可能性もあるので、ビー玉が転がってしまったときには住宅診断を依頼してみましょう。

 

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